避難生活でも、よく噛んで食べたほうがよいですか
この回答は暫定案です。専門家の確認を受けていません。判断に迷うときは、必ず医療者にご相談ください。
答え
むせずに普段どおり食べられている方は、一口を少なめにして、ゆっくりよく噛んでください。噛むと唾液が出て、口の中がうるおい、飲み込みやすくなります。ただし、噛むことは歯みがきや水分補給の代わりにはなりません。むせやすい方・飲み込む力が弱っている方・認知症のある方・小さなお子さんには、ガムや噛みごたえのあるものを無理にすすめないでください。
次のようなときは、すぐに医療者へ連絡してください
- 食事中や食後にひどくむせる、咳き込みが続く、声がガラガラになる
- のどに詰まって声が出せない、息ができない、顔色が変わる(ただちに119番。背中を叩くなどの応急手当を並行して)
- ガム・食べ物・入れ歯を飲み込んでしまった、のどに残っている感じがある
- 熱が出て、息苦しさや痰がからむ(誤嚥性肺炎のおそれ)
- 痛みや入れ歯が合わないことで、食事や水分がとれない日が続いている
避難所にいる方は救護班・保健師へ。判断に迷うときは119番に連絡してかまいません。
先に確認してください(噛むことをすすめてはいけない方がいます)
むせやすい方、飲み込む力が弱っている方、認知症のある方、ご自分で口の中のものを出せない方、小さなお子さんには、ガムや噛みごたえのある食べ物をすすめないでください。のどに詰まらせる、誤って飲み込むおそれがあります。入れ歯が外れやすい方も、ガムは避けてください。食べ物の固さや形で迷うときは、「のどに詰まりやすい食べ物」の項目の内容を優先してください。ここから先は、こうした心配のない方に向けた内容です。
水分の量を制限されている方へ
心臓・腎臓の病気(透析を含む)、肝臓の病気などで、飲んでよい水分の量を指示されている方は、主治医の指示を優先してください。自己判断で水分を増やさないでください。口の乾きがつらいときは、うがいや口をうるおす方法について救護班・保健師・医療者に相談してください。
詳しい説明を読む
唾液には、食べ物を飲み込みやすくし、口の中をうるおす働きがあります。汚れを洗い流したり、細菌が増えるのを抑えたりする働きもあるとされ、口の中を清潔に保つうえで大切です。ただし、噛むことや唾液は、歯みがきや水分補給の代わりにはなりません。水が乏しくても、歯ブラシやガーゼで汚れを取ることは続けてください。
- むせがなく普段どおり食べられている方は、やわらかいものばかりに偏らず、噛みごたえのあるものも少しずつ取り入れる
- 一口の量を少なめにして、ゆっくり食べる。横になったまま、話しながら食べない
- 食べる前に姿勢を整え、あごを軽く引く。食後すぐに横にならない
- ガムを噛むのは、上の注意にあてはまらない方に限られます。噛む機会を増やすための一時的な工夫であり、歯みがきの代わりにはならず、口の清潔や体調の維持にどれだけつながるかは確かめられていません
唾液がネバネバする、糸を引くように感じる——これは体の水分が足りていないサインのことがあります。トイレを気にして飲む水を我慢しないでください。
「噛めない」を我慢しないでください
入れ歯が合わない、口が痛くて噛めない——その状態が続くと食事や水分の量が減り、低栄養や脱水につながります。わがままではありません。救護所や保健師、巡回の歯科班に伝えてください。噛めないあいだは、無理に固いものを食べず、食べやすい形にした食事に切り替えてください。
この回答の根拠
- 根拠の種類:
- 災害支援の実務で共有されている知見です(学術的根拠は限定的です)
- 監修の状態:
- 暫定案です。専門家の確認を受けていません
- 最終更新:
- 2026-08-01
分かっていないこと:【要専門家確認】この項目には、当プロジェクトが災害支援の実務知見をもとに整理した内容が含まれ、監修者の確認を受けていません。噛むことで唾液の分泌が促されることは広く知られていますが、避難生活でガムを噛むことが口の清潔や体調の維持にどの程度つながるかを示す研究は確認できていません。キシリトールなどの甘味料についても、災害時の環境で得られる効果の程度が明らかでないため、この項目では推奨として扱っていません。噛むことは歯みがきや水分補給の代わりにはなりません。飲み込む力が落ちている方に、噛みごたえのある食品やガムが適するかどうかを判断できるのは、実際にその方を診ている医療者・歯科医療者・言語聴覚士です。挙げた出典のうち外部資料は論点の参考にとどめており、本文の記載がその資料の推奨であることを意味しません。
参考にした資料
- 災害時のお口のケア(緊急ガイド)(お口の防災プロジェクト/一般社団法人 日本オーラルヘルス協会)
- 高齢者・介護者向け 備えガイド(お口の防災プロジェクト/一般社団法人 日本オーラルヘルス協会)
- 災害時の口腔ケア・歯科治療に関するQ&A(日本口腔ケア学会)
関連する質問
この情報は一般的な内容です。個々の症状の診断や治療方針を示すものではありません。 判断に迷うときは、医療者にご相談ください。緊急の場合は119番へ。