大切なご家族のお口を、災害から守るために
高齢者は災害時に口腔トラブルが深刻化しやすい傾向にあります。日頃の備えと正しい知識が、ご家族の命と健康を守ります。
高齢者に起きやすいお口のトラブル
加齢に伴う身体機能の変化と災害時の環境悪化が重なり、リスクが高まります
義歯の紛失・破損
避難時に義歯を持ち出せないケースが多く報告されています。義歯がなければ食事が摂れず、体力・免疫力が急速に低下します。
口腔乾燥
加齢による唾液分泌の低下に加え、水分不足やストレスが重なります。口腔乾燥は細菌繁殖や粘膜損傷の原因になります。
むせ・誤嚥
嚥下機能が低下している方は、口腔内の細菌が肺に入り込みやすくなります。誤嚥性肺炎は災害関連死の大きな要因です。
低栄養
噛む力や飲み込む力が弱くなると、避難所で配給される食事が十分に摂れなくなります。栄養状態の悪化は回復を大きく遅らせます。
介護者・ご家族が今日からできること
日頃の小さな備えが、いざというときに大きな差を生みます
お口の状態を記録する
義歯の有無・種類、かかりつけ歯科医、服薬情報、アレルギーなどをメモにまとめておきましょう。 避難先で医療支援を受ける際に役立ちます。
義歯の管理を習慣化する
就寝時は義歯ケースに入れて枕元に置く習慣をつけましょう。急な避難でも持ち出しやすくなります。 義歯に名前を記入しておくことも有効です。
毎日の口腔ケアを支援する
ご自身でのケアが難しい方には、スポンジブラシや口腔ケアシートを使った介助が有効です。 日頃から慣れておくと、災害時もスムーズに対応できます。
嚥下の状態を確認しておく
食事中にむせることが多い方は、かかりつけ医に相談を。とろみ剤の使い方を覚えておくと、 避難所でも安全に水分を摂取できます。
避難生活での備え
避難所生活が長期化した際に気をつけたいポイントです
口腔ケアの時間を確保する
避難所では生活リズムが乱れがちです。朝と就寝前の口腔ケアの時間を意識的に確保しましょう。
周囲に口腔ケアの必要性を伝える
口腔ケアは「贅沢」ではなく「健康維持」に不可欠です。避難所の運営者に相談し、ケア用品の配備を依頼することも大切です。
食事形態に配慮する
噛む力や飲み込む力に不安がある場合は、食事の形態(刻み食、とろみ付きなど)を避難所スタッフに伝えましょう。
体調の変化に注意する
発熱、咳、食欲の低下などが見られたら、早めに医療スタッフに相談してください。誤嚥性肺炎の初期症状の可能性があります。
非常持出袋に追加したいもの
高齢者のケアに必要なアイテムを、通常の防災グッズに加えましょう
高齢者向け追加アイテム
- 義歯ケース
就寝時・避難時の義歯管理に必須
- 義歯洗浄剤
義歯の清潔を保つために
- 口腔保湿ジェル
口腔乾燥の予防・緩和に
- スポンジブラシ
自力でのブラッシングが難しい方の口腔ケアに
- 口腔ケアシート
水なしで歯ぐきや舌を清拭できます
- とろみ剤
むせやすい方の水分・食事の安全な摂取に
- ワセリン
唇や口周りの乾燥を防ぎます
- お口の健康手帳(メモ)
義歯情報・かかりつけ医・服薬内容を記載