学術統轄 / Chief Academic Officer

中久木 康一(Koichi Nakakuki, DDS, PhD)

東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 救急災害医学分野 客員教授(非常勤講師) 東北大学大学院 歯学研究科 特任講師(2024年3月〜) 千葉大学大学院 医学研究院 法医学 特任研究員

中久木 康一 のポートレイト

Chief Academic Officer

中久木 康一

Koichi Nakakuki, DDS, PhD

災害歯科保健医療の第一人者として、東日本大震災直後から女川町の歯科保健継続支援に継続的に関与(現在まで 14 年)。 厚生労働科学研究の研究代表者として、災害時の歯科保健医療体制構築を主導してきました。 お口の防災プロジェクトの学術的独立性と品質を担保する立場として、学術統轄の職責を引き受けています。

Titles

主要肩書

  • 東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 救急災害医学分野 客員教授(非常勤講師)
  • 東北大学大学院 歯学研究科 特任講師(2024年3月〜)
  • 千葉大学大学院 医学研究院 法医学 特任研究員
  • 日本災害時公衆衛生歯科研究会 世話人
Timeline

研究と実務の歩み

1998年 大学卒業から、災害歯科保健医療の第一線まで

1998

東京医科歯科大学歯学部卒業

東京医科歯科大学歯学部卒業

2001

スリランカ・ペラデニア大学歯学部口腔病理学に…

スリランカ・ペラデニア大学歯学部口腔病理学に留学

2002

東京医科歯科大学大学院歯学研究科修了(歯学博…

東京医科歯科大学大学院歯学研究科修了(歯学博士)

2009

東京医科歯科大学大学院顎顔面外科学分野助教

東京医科歯科大学大学院顎顔面外科学分野助教

2011

東日本大震災直後から女川町歯科保健継続支援に…

東日本大震災直後から女川町歯科保健継続支援に関与(現在まで14年)

2021

東京医科歯科大学救急災害医学分野 客員教授

東京医科歯科大学救急災害医学分野 客員教授

2024

東北大学大学院歯学研究科 特任講師

東北大学大学院歯学研究科 特任講師

Grants

厚労科研・KAKEN における研究

災害時要配慮者支援・歯科保健医療体制構築に関する主要研究

厚生労働科学研究平成19〜21年度

大規模災害時における歯科保健医療の健康危機管理体制の構築に関する研究

担当:研究代表者

厚労科研平成26年度

妊産婦・乳幼児を中心とした災害時要援護者の福祉避難所運営を含めた地域連携防災システム開発に関する研究

担当:分担研究者

KAKEN継続

災害時要配慮者に対する多職種が連携した『食べる支援』体制の構築

担当:分担

Publications

主要著書

  • 繋ぐ〜災害歯科保健医療対応への執念

    クインテッセンス出版分担執筆

  • 災害歯科医学

    医歯薬出版共編

  • 歯科医院の災害対策ガイドブック

    医歯薬出版

  • 歯科における災害対策

    砂書房

MESSAGE

監修の辞

私たちは、失うたびに、学んできた。

1995年、阪神・淡路大震災。 「災害関連死」という言葉が、神戸で初めて使われた。

直接死ではない死が、避難生活の中で静かに積み重なっていく現実に、私たちはそのとき、初めて名前を与えた。

2011年、東日本大震災。 石巻市の関連死のうち、26.9%が肺炎であった。

私は女川に通い続けた。

避難所の空気、仮設住宅の床の冷たさ、そして「食べられない」という状態が、人からどれほど速やかに意欲を奪っていくのかを、現地でしか知りえない形で知った。

2016年、熊本地震。 関連死が直接死を上回った。

日本における災害のかたちが変わった瞬間であった。

そして2024年、能登半島地震。 関連死が直接死を上回った二度目の災害である。

1.5次避難、2次避難という長距離移動のなかで、多くの高齢者が体調を崩し、命を落とした。

この30年、私たちは学び続けてきた。

そして学んできたことは、実のところ、きわめて単純である。

口の中を清潔に保つこと。 食べられる形にすること。 義歯を外させないこと。 水が少なくても、乾燥させないこと。

これらの「当たり前」は、平時には意識されることすらない。

しかし災害時には、その当たり前が失われる。

そして、その小さな欠落の積み重ねが、誤嚥性肺炎という形で、静かに人の命を奪っていく。

本プロジェクトは、この30年のあいだに、失うことでしか得られなかった知見を、次の災害の前に社会へ実装するための試みである。

学術的に見れば、決して派手な取り組みではない。

新しい技術でもなければ、革新的な治療でもない。

しかし、次の避難所に歯ブラシが一本多く届くことで、確実に救われる命がある。

私はこれまでと同じように、この地道な領域に向き合い続ける。

そして本プロジェクトにおいては、学術統轄として、その責務を果たしていきたいと考えている。

一般社団法人日本オーラルヘルス協会 代表理事である富田大介先生、そして本プロジェクトに関わる多くの方々とともに、災害関連死という言葉が必要とされなくなる社会を目指し、歩みを進めていく所存である。

令和8年4月

お口の防災プロジェクト 学術統轄

東京科学大学(旧東京医科歯科大学)大学院 救急災害医学分野 客員教授

東北大学大学院歯学研究科 特任講師

中久木 康一

※本文は中久木先生ご本人による最終校閲前の草案です。最終版が整い次第、差し替えを行います。