阪神・淡路大震災 — 「災害関連死」という概念が生まれた起点
1995年、日本で初めて『災害関連死』という言葉が公に使われた震災です。災害関連死919人(兵庫県内)のうち、単一の疾患として最も多かったのは肺炎(約24%)で、避難生活の公衆衛生問題が初めて社会的に顕在化しました。災害関連死の8割が発災後2ヶ月以内に集中、そして9割が60歳以上という事実は、日本の災害医療のその後30年の課題を規定しました。
日本の大災害と、その教訓
阪神・淡路大震災から能登半島地震まで、30 年間の災害関連死の軌跡を一次資料に基づき整理します。 同じ死因——肺炎、循環器疾患、基礎疾患の悪化——が、なぜ繰り返されてきたのか。 そして、そこから生まれた教訓を、どう次の災害の前に社会へ実装するのか。 この問いに向き合うために、本アーカイブを公開します。
発災年・直接死・災害関連死・主な死因・災害関連死/直接死比・教訓を一覧で
| 震災名 | 発災年 | 直接死 | 災害関連死 | 主な死因 | 災害関連死/直接死 | 教訓 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 阪神・淡路大震災 | 1995 | 5,483 | 919兵庫県内の認定 |
| 約17% | 日本で初めて「災害関連死」という概念が生まれた震災。避難生活における肺炎死が公衆衛生課題として認識された起点。死者総数は全国で6,434人(関連死を含む)。 |
| 東日本大震災 | 2011 | 15,900 | 3,8002023年時点 |
| 約24% | 石巻市の死因分析で、肺炎が通常時の約3倍発生したことが判明。学術統轄・中久木康一先生が被災地の地域歯科保健再構築に8年間携わる起点となった震災。 |
| 熊本地震 | 2016 | 50 | 2252025年4月時点 |
| 約4.5倍 | 災害関連死が直接死の4倍以上にのぼった震災。東日本大震災を機に整えられた支援の仕組みが大規模に実践され、同時に新たな課題も明らかになった。 |
| 能登半島地震 | 2024 | 228 | 516石川・新潟・富山、2026年7月時点 |
| 約2.3倍 | 災害関連死が直接死の2倍を超えた震災(審査は今も継続中)。NHK分析で体調悪化の場所は「最初に身を寄せた避難所」が最多と判明。避難環境が繰り返し変わり、ケアの担い手が交代することの影響が課題となった。死亡経緯が公表された158名の死因は、循環器系疾患(約34%)と呼吸器系疾患(約33%)が拮抗している(令和7年版防災白書)。 |
主な死因
肺炎(単一疾患で最多・24%) / 心疾患 / 脳血管疾患
教訓
日本で初めて「災害関連死」という概念が生まれた震災。避難生活における肺炎死が公衆衛生課題として認識された起点。死者総数は全国で6,434人(関連死を含む)。
主な死因
肺炎(石巻市死因の26.9%) / 循環器疾患 / 基礎疾患悪化
教訓
石巻市の死因分析で、肺炎が通常時の約3倍発生したことが判明。学術統轄・中久木康一先生が被災地の地域歯科保健再構築に8年間携わる起点となった震災。
主な死因
呼吸器系疾患(肺炎など) / 循環器系疾患 / 避難所環境悪化
教訓
災害関連死が直接死の4倍以上にのぼった震災。東日本大震災を機に整えられた支援の仕組みが大規模に実践され、同時に新たな課題も明らかになった。
主な死因
循環器系疾患 / 呼吸器系疾患 / 避難環境・ケア担当の度重なる変化
教訓
災害関連死が直接死の2倍を超えた震災(審査は今も継続中)。NHK分析で体調悪化の場所は「最初に身を寄せた避難所」が最多と判明。避難環境が繰り返し変わり、ケアの担い手が交代することの影響が課題となった。死亡経緯が公表された158名の死因は、循環器系疾患(約34%)と呼吸器系疾患(約33%)が拮抗している(令和7年版防災白書)。
それぞれが日本の災害医療に残した転換点
1995年、日本で初めて『災害関連死』という言葉が公に使われた震災です。災害関連死919人(兵庫県内)のうち、単一の疾患として最も多かったのは肺炎(約24%)で、避難生活の公衆衛生問題が初めて社会的に顕在化しました。災害関連死の8割が発災後2ヶ月以内に集中、そして9割が60歳以上という事実は、日本の災害医療のその後30年の課題を規定しました。
2011年、石巻市の死因分析で肺炎が通常時の約3倍発生したことが判明しました。学術統轄・中久木康一は、発災後の被災地で8年間、地域歯科保健の再構築に継続的に携わりました。災害時口腔ケアを『イベント』ではなく『継続支援』として捉える実践の起点が、ここにあります。
2016年、直接死50人に対し災害関連死225人(2025年4月時点)。東日本大震災を機に整えられた保健医療支援の仕組みが大規模に実践された震災であり、同時に、実践から次の課題が数多く見えてきた震災でもあります。死因は呼吸器系疾患(肺炎など・28.9%)と循環器系疾患(27.5%)が拮抗し、この2つで全体の約6割を占めました(熊本県)。
2024年、災害関連死の認定が516人と直接死228人の2倍を超えた震災(2026年7月時点・審査継続中)。1.5次・2次避難により避難環境が何度も変わり、そのたびに周囲のケアの担い手が交代する——この繰り返しの環境変化が、高齢者の体調悪化の大きな要因として課題になりました。死因は循環器系疾患(約34%)と呼吸器系疾患(約33%)が拮抗しています(令和7年版防災白書・公表158名分)。
PIVOTAL FACTS
FACT 01
発災を生き延びた後の避難生活で、それ以上の命が失われました。
FACT 02
NHK分析により、体調悪化の場所は『最初に身を寄せた避難所』が最多と判明。避難所運営の質そのものが死因となる。
FACT 03
新しい避難の仕組みの中で、長距離移動中にも多くの高齢者が体調を崩しました。
学術統轄・中久木康一の被災地支援
2011 — 東日本大震災
被災地の地域歯科保健の再構築に、8年間継続的に従事。
2016 — 熊本地震
被災地の地域歯科保健の再構築に3年間継続的に従事—— 災害は発災直後のイベントではなく、数年単位の継続支援が必要なものである、 という事実を現場で示してきた取り組みです。
※支援活動の詳細な経過は、地域の状況に関わる内容を含むため、講演・視察・取材などの場でご紹介しています。
Evidence · The Ten Numbers
命の数字 / The Ten Numbers
命の数字10
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災害史アーカイブ / Disaster Archive
阪神・淡路から能登まで
30 Years of Disaster-Related Deaths
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